自転車旅 その1

25歳のときの7月中旬。

 子供の頃、家出をしようとして、自転車でどこまで行けるのか地図を見て計算してみた。そのとき見積もったのが、3日で東京に行けるだろうと。それが、どこか心の奥にあったのか、会社を辞めたときに突如沸いてきて、「じゃあ、(会社も辞めたし、金もあるし、年齢的にも最後だし)やったれ」とMTBを購入し、その1週間後、旅に出てしまったのだ。

 用意したものはリュックサックに雨具・下着・タオル・デジカメ・薬・日帰り温泉マップ等。初めはいろいろなものをリュックに入れていたが、旅立ちの当日にリュックを背負ってみると、けっこう重い。これでは自転車を漕いで峠を越すのはきついだろうと。そんなわけで、荷物は最小限にとどめた。

 

1日目

 スタート地点は、東京都江戸川区小岩。朝5時出発。
 コースとしては子供の頃に考えていた逆をたどる。環七?17号経由で埼玉へ。
 1時間15km?20kmの移動距離。
 朝の7時に荒川を渡り、埼玉へ。

 いきなり新潟に目標置くのはしんどいので、まずは埼玉県境、次は大宮・・・と
 チェックポイントを決めて進んでゆく。自分のペースで何時ごろに着くだろうと予想し、
 その通りに進められればちょっと嬉しかったりする。

 埼玉から歩道が少なく、車道を走る。すこしづつの上り坂がつづく。
 日常では気にならないくらいだが、長距離移動だと少しづつ負担が増してくる。
 そのためか、桶川を過ぎたあたりから右腰あたりが痛み始め、鴻巣あたりでは
 かなりきつくなりった。しかたがないので持っていた消炎剤を塗り、エアーサロンパスを掛け、
 その上にシップを張った。やりすぎるくらいだが、おかげでその後は腰の痛みは出なかった。

 12時?13時(たぶんお昼時)に熊谷着。
 お昼といっても、基本的に固形物は取らないということだったので
 ウイダーインゼリー・カロリーメイトドリンク・エネルゲン・ポカリスエット
 アクエリアスなどを飲みながら自転車を走らせる。
 街中の人の視線を感じる。
 簡易な休息は、地図を見たり、風景を眺めたり、コンビニによったりする程度。

 熊谷を越えたあたりから、風景から家が減り始めた。
 国道からはずれて、どこかの林の公園で約30分ほど仮眠し、しばし休憩。


 岡部あたりで道に迷うものの、なんとか国道17号に戻る。
 地図は、日帰り温泉マップしかないので大雑把。細かいところは載っていない。
 ほとんどは道路標識を見ながら、あとはカンで進む。


 地図を見ると、新町から高崎をショートカットして前橋に行けそうだ。
 細かい道までは分からないので、標識と方向を頼りに、カンで前橋まで。
 (なお、地図というのは、A4サイズの日帰り温泉本についてくる地図なので、
 詳細には分からない。)

 前橋には17時頃到着。道が広いので、かなりとばした。
 途中、道を外れたら、温泉スタンド見たいなのがあった気がしたが・・・・勘違いか?
 雲行きが怪しくなってきた。降らないといいのだが・・・。
 18時に渋川へ。川を渡り353号線へそれる。

 このとき既に夕刻。このあたりから道は坂道が増え、山へと進む道になってきた。
 急に体力の消耗が激しくなった。

 暗くなってきたのでライトを点灯する。
 途中のセブンイレブンで夕食におにぎり2個を購入。
この日初めての固形物。
 コンビニの駐車場で食事をし、進んでゆく。
 上り坂を延々と進み、今宵の宿(野宿場所)を探す。
 20時に小野上温泉センターに着いたので、とりあえず汗を流し、
 駅の傍らにあるトイレの前に敷物を敷いて寝る。
 が、終電になるまで、人の声で、(何か言われないかと)気がかりで寝むれない。
 駅といってもローカル線で、11時過ぎの最終が行ったあとは静まり返っている。

 この日の移動距離はLiveDoorMAPで調べると143.8km。コース的には若干違うので150kmほど進んだだろうか。

 2日目につづく・・・